プリムラ

繋いだ右手が 寒さに負けずに
尽きないお喋りで 明日に怯えてる

ふとした沈黙に
君はつぶやく
「春を呼ぼう」

プリムラの花が咲く頃、少し大人びた君を待つ
笑いあう日々も
溶けない雪も
心に降り積もって
日常の中で流され、誰かの後ろに隠れても
何度でも言うよ
君が好きだよ
ただ、私にできること。

思い出の道は どこまでも続く
小岩の隙間から 花びらが揺れてる

微笑む唇に
かじかむ言葉
「きっと逢えるよ」

プリムラの花が咲く頃、少し大人にはなれたかな
青春はじまり
終わらない夢
最初の花咲かせて
出会いと別れの涙で、育んだ種を芽吹かせて
何度でも言うよ
枯れない言葉
新たな空を見上げて

アルプスの冬を耐えて
顔を覗かせてる シナノザクラ
君が教えてくれた最初の言葉を忘れない

プリムラの花が咲く頃、少し大人にはなれたかな
何年先でも
また笑えるよ
すれ違いも飛び越え
プリムラの花が咲く頃、少し大人びた君を待つ
小さな花でも
ただそれでいい
胸に美しく咲かせ
×