下町川

いくら上手に 化粧をしても
泣いた眼もとは すぐわかる すぐわかる
濡れたこゝろの 下町川よ
妻になれない 恋をして
風に別れの 秋を知る

恋のいのちと 両国花火
燃えて散る間に
夏が逝く 夏が逝く
添えぬさだめの 下町川よ
飲んで忘れる 淋しさも
酔いが醒めれば また募る

いっそ死のうと 思ってみたが
残るみれんが 袖を引く 袖を引く
夢も寒々 下町川よ
明日の願いを 酉の市
賭けて待ちたい またの春
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