海峡みなと

出て行く船が かすかに見える
あゝそこが女の 港町
いつまで待っても 待っても待っても
逢える あてはない
投げてこの身を 届けたい
連絡船の 海峡みなと

母にも言わず 育てた恋が
あゝ渦に巻かれて 沈みそう
すべてを捨てても 捨てても捨てても
欲しい 愛がある
夢を運んだ かえり船
連絡船の 海峡みなと

こぼれて落ちる 女の涙
あゝ海と同(おんな)じ 味がする
かじかむ心を 心を心を
あなた 抱きしめて
波の花さえ ちぎれ飛ぶ
連絡船の 海峡みなと
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