地獄花

俺たちに 明日はない
あるのは ひかる瞳
地獄の瞳
放さないと あゝ燃えてる瞳

「愛しあって仕舞(しま)った者を、他人がどう見ようとそれは勝手です。
貴男は地獄を見たと仰有(おっしゃ)る。そんな地獄が怖いのですか。
誰も二人の世界には入ってこれないんですよ。
凝乎(じっと)こうしている限り、怖い世界など来るものですか。
怖いのは、貴男があたしを裏切った時だけです…」

お前だけ 愛してる
賭けるぜ 命ひとつ
ここまで来たら
あとがないさ あゝ帰りはないさ

「ほんとですね…あたしだけと…最後まで言って下さるのね…
呼(ああ)…嬉しい…
さあ、今ここで…あたしを抱いて!」

太陽も 逝く春も
砕けて 散ってしまえ
地獄がなんだ
滅びるのが あゝこの世がなんだ
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