ひとり北国

北の北の名もない 岬のはずれ
かもめも一羽で 鳴いている
忘れられない 女をひとり
噂をたよりに たずねて歩く
お前のいそうな さびれた町は
いまも雪の残る 冷たい北の町

沈む沈む夕陽に 粉雪舞えば
灯台あかりも かすんでる
人の目をさけ 重ねた愛を
心にきざんだ 面影ひとつ
淋しい笑顔が 浮かんで消えぬ
胸にそっと残る 冷たい北の町

遠い遠い汽笛は なまりの空へ
涙の糸ひく 声になる
風にふるえて 泣いてはないか
か細い肩先 お前を偲びゃ
さすらう旅路に 明日が見える
いまも雪の残る 冷たい北の町
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