潮騒の町

燃える不知火 お酒に浮かべ
一緒に飲めば 結ばれる
ふたりでつくった 恋の神話を
さがした夜がなつかしい
ここは島原 西有家
あのひと恋し 潮騒の町よ

いまも私は ひとりでいると
伝えて欲しい あのひとに
天草通いか 白いフェリーが
夜霧のなかへ 消えてゆく
窓に吐息で 書いてみる
十字架哀し 潮騒の町よ

古い城跡 咲くはまゆうの
香りに偲ぶ 愛の日々
滝音涼しい そうめん流し
ふれあう箸の 思い出も
胸の小筐の 蓋あけて
ひたひた寄せる 潮騒の町よ
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