涙にぬれた窓

雨のしずくを 手に受けて
あの人の名を書く ガラス窓
ああ 日が暮れる 夜がくる
涙にぬれた
あたしのあたしの心にも

波止場通りに ともる灯が
いとしい面影 偲ばせる
ああ 汽笛(ふえ)が鳴る 船が出る
場末の酒場に
あたしをあたしを捨てといて

強い酒でも のんだなら
忘れてしまえる あの人か
ああ 雨がふる 夢が散る
うつろになった
あたしのあたしのこの心
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