まっぴらごめん

惚れたはれたが 苦手で逃げて
捨てたふるさと 五年前
勝手気ままな 風来坊にゃ
寒い世間の 向かい風
まっぴらごめん まっぴらごめんよ
詫びるこころの 親不孝

花のお江戸も 浪花の町も
しょせん縁ない 旅(たび)鴉(がらす)
意地で歩いた 千里の道も
他人(ひと)に言えない 裏街道
まっぴらごめん まっぴらごめんよ
たまにゃ恋しい 故郷(くに)なまり

縞(しま)の合羽も 時には重い
いっそ解(と)こうか 草鞋(わらじ)紐(ひも)
遠い故郷の 祭りの音が
胸にひびいて 血が騒ぐ
まっぴらごめん まっぴらごめんよ
閉じる瞼の 草枕
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