プルメリア

花びらが色めいた 遊歩道を歩いて
ぼんやりと気が付いた 私だけいないこと

あの日 風が吹いたのを
忙しさのせいにして
誰にも気付かれないような毎日を 選び続けた

間違ったまま 育ち続けた
こんな未来を どこか
素敵に思うなんて 不思議なことね

大事なものをみつけたい だなんて
思ってもないよと 首を傾げた
人ごみの隅で

飛行機雲が泳いだ 青空が淡くなって
ぼんやりと気が付いた 遠くまで来たんだと

同じ風が吹いても 懐かしさのせいにして
誰にも愛されないような毎日に 名前を付けた

間違えたまま 歩き続けた
こんな世界を どこか
素敵に思うなんて 不思議なことね

大事なものをみつけたい だなんて
思ってもないけど 期待する

「どこかへ どこかへ」

今日も流されていく
×