花ざかりの森

されど寂しき 鐘の音が鳴る
そのくちびる悲しくて 君は
雨に濡れてる 紫陽花の花
ひとり泣いてた

砂丘には宵待草
誰を待つか ゆらゆらと揺れる
星が消えた朝焼けには 僕は月と沈む

されど寂しき 鐘の音が鳴る
街はもう 花ざかり

されど寂しき 鐘の音が鳴る
雲が流れ この恋はおわる
よろめいた後 ひざをつく君
ひとり泣いてた

紫の名もない花 湖畔に咲き
枯れてゆく いつか
波が乱れ 岩を砕き 水をにごしてゆく

されど寂しき 鐘の音が鳴る
街はもう 花ざかり

長い壁には落書き
頭をたれ 黙りこむ空に
花吹雪 美しく はらり 風に舞った

されど寂しき 鐘の音が鳴る
その紅き くちびるよ
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