手紙

駆けておいでよ 想い出の中から
この手紙読みなおしたら
あの日がゆれてにじんだ

曲がりくねった並木道を
いつもかよった仲間達の中
紺と白の制服姿が輝いていた君

石垣のある坂道を いそいで登り
海に向かって
船がはるか 見えなくなるまで
みんなで寝ころんだ

せつない気分で 黙って別れた

忘れられない すりガラスに映る影
遠まわり 君の部屋の燈りを見つめていた

木かげの椅子に腰かけて
いつか話せる時が来たなら
僕が夢中になれることなんか
話したいと思った

だけど そのまま卒業してゆく

駆けておいでよ 想い出の中から
いつまでも 止まったままの君がいた
あの場所から

忘れられない すりガラスに映る影
遠まわり 君の部屋の燈りを見つめていた
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