ナイトクルージング

飼い慣らしたこの怪物が
僕を騙して逃げるもので
抱き締めてもするりと抜けて
深い夜の果てに消えていく

裸足のままで追いかけても
どうしても掴めやしない
息を潜めたアイツがまた
目を覚まして踊り出す前に

見つけてしまった黒い影は
白い白い絵の具で塗り潰してしまえよ
降り注いだ言葉達は僕の胸を今も
澄ました顔で泳いでいる

逃げていったあの怪物を
今も探し彷徨っている
見つけないと晴れた心に
冷たい雨が降ってしまう

午前3時、街は夢の中
走り疲れた僕に救いの手を差し伸べる者は
ここにはもう誰もいない いない いない

裸足のままで追いかけても
どうしても掴めやしない
息を潜めたアイツがまた
目を覚まして踊り出す前に

見つけてしまった黒い影は
白い白い絵の具で塗り潰してしまえよ
降り注いだ言葉達は僕の胸を明日も
憎らしい顔で泳いでいく
何時までもずっと
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