忿溜艦

さかしま滑脱
遠泳胴持つ
葉液彼岸
寝台に浮く
見痩せした襞

微醺の型式 乾坤一擲
鬼百合ひらく 狭霧を押して
メランコリアン
具図愚呪露しぐれ

日に散弾清明に浴び
夕焼け白目に充満す

ひとつ生の 木漏れ日背にうけ
我に似る人
水泡へ歩いてく 銀泥の地の光悦

我生と寂の他 死はいらむ
帳の襞に隠れた亡骸よ
充ちて
難破
水面キュンぎら大星天

いつになく惨たらしく
蒼空苛烈三万km
目薬さして
乳脂肪に可能態

定法悟性と不惑は貯える意思
暖かい直流に忘却され
声を瀞かす久遠の黙礼
御霊から皆目亡失下駄箱へ
下駄降りそそぎて黄昏れ
旋回牛車は小休止
帆船デッキを
さかしま
滑車
滔獄
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