満州里小唄

「シベリヤと満州との国境、満州里は、
今日も吹雪に暮れてゆく。
人々はその風の中に、
どんなにか春をまつのだ。
丈余の氷の解ける音に、
雪を割って咲くアゴニカの
紅い花に、春のしらせをきき、
ウォツカの杯をかさねれば、
暁の窓を打つものは、
又してもヒョウヒョウと舞い狂う
朔北の粉雪である。」

積もる吹雪に 暮れゆく街よ
渡鳥なら つたえておくれ
風のまにまに シベリアがらす
ここは雪国 満州里

暮れりゃ夜風が そぞろに寒い
さあさ燃やそよ ペチカを燃やそ
燃えるペチカに 心もとけて
唄えボルガの舟唄を

凍る大地も 春にはとけて
咲くよアゴ二カ 真赤に咲いて
明日ののぞみを 語ればいつか
雪はまたふる 夜はしらむ
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