簪 / かんざし

赤い雨の子守歌
しっぽり斬れた手のひら
一筋の流れ川の如く

遠い旅のみちづれに
まゆらに萌ゆる面影
悲しい恋は夢の中で実る

虚しい未練の風吹く都会(まち)では
これ以上泣いたら生きられぬ

薄く頬紅 影さして
恋のゲームを終わらせて
それが愛だと言うのなら
決してあなたの
邪魔をせぬように

鉛色の空の下
うんざり晴れた世の中
孤独を気取るうちに寂しくなったよ

肉体(からだ)が疼くほどに
ぽっかり空いたこの心(むね)
彩りが消えた部屋で独り言ちた

情に流され溺れてばかりじゃ
この世に生まれた甲斐もない

甘くジャズなど歌わずに
粋なブルースで踊らせて
まるで亡者の影のように
何処か遠くで
あたしを呼んでる

夢追い人たちは嘆き
儚い現実から身を投げた

薄く頬紅 影さして
どうかロマンス逢いに来て
それが愛だと言うのなら
いっそこのまま
ふたり堕ちてゆく

どうぞこの胸に

眠れ子守歌

Mmmm…
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