哀愁港

思い出すまい二度と 心に決めて
遠く離れた 筈なのに
女ひとりの 哀しさを
こらえ切れずに 泣けて来る
夜の波止場の 冷たい風が
凍りつくよに 胸を刺す

俺と一緒じゃ いつか 不幸になると
すがる私に 背を向けた
今も心に 棲みついて
暗い波間に 面影が
消えて浮かんで 又消えてゆく
未練せつなく 燃え残る

恋のぬけがら何処へ 捨てればいいの
あなたにあげた この命
生まれ変わって もう一度
めぐり逢えたら その時は
痩せた分だけ 愛して欲しい
夢もはかなく 波に散る
×