酒場草子

酔い覚めの
水をにごらす 宵の酒
恋しさに 酔いどれて
爪を塗る手も 狂いがち

夢にさえ
弱い心を 叱られて
千鳥足 お酒しか
帰る寝床のない女

あの人に
逢いたいだけで しがみつく
ネオン町 日が暮れて
やっと灯(ひ)のつく 蛍町

酒場にて
馬鹿な女が しのびつつ
酒を飲み 酒に酔う
何の不思議も ないものを
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