はらり

橋の上から柔かい風をみた 目を細めてた
並木通り 行き交う人たちを眺めてる
どこかに なんて 探してた いるばずもないのに
霞んで消えた声 止まってしまったままの時計
思いを口にすれば失くしてしまいそう
言葉はただの記録 強い風を見た
記憶を纏い散る花びら 出来るならばずっとこのまま
この風景のなか

はらり

毎日の通り道
取り壊しを終えた空き地 次に建つのはなに
昨日までは 思い出せない なにが建っていた
道路に模様みたく散らばった花びら
霞んで消えた声 止まってしまったままの時計
思いを口にすれば失くしてしまいそう
言葉はただの記録 強い風は強さを増す
月すらもさらわれそう 家路 辿る
明日はきっと真っ青な空 真新しい透明な空

はらり

玉響の断片 影のない破片
ゆかしさは消えていく波線
五月雨がひとつ ふたつ
五月雨はこぼれ落ちる

はらり
×