あき子

風もないのに 花が散る
運命(さだめ)というには あまりにも
ひどい仕打ちと 泣いていた
あき子と言う名の人だった
あゝ それっきり かえらない

雨も降らぬに 花が散る
一人ぢゃ駄目よと 言い乍ら
肩を寂しく ふるわせた
あき子と言う名の人だった
あゝ それっきり かえらない

人にかくれて 花が散る
しづかにしづかに 恋をして
咲いて間もなく しぼんでた
あき子と言う名の人だった
あゝ それっきり かえらない
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