誰も傷つかない

少したりとも欲しくはないから どうか誰かに譲りたい
何もできないままでいいから どうか祈りを掲げたい

神様はきっと 私の言うことを聞いてくれない

誰も傷つかない 誰も傷つけない
誰も苦しまない方がいい
誰も悲しまない 誰も疑わない
そんな世界がいい

恐れてるものが何なのか問うより その肌に見合う良薬を
蛍光灯の下で呼吸をしていたの まるでロウソクの火のように

神様は言った 誰もが平等に痛みを背負えと

人を恨んだ目も それを逸らした今日
同じ形の音になればいい
何もかも忘れて 目を閉じた向こうで
終わりを知ればいい

もう何も持っていなくても 私は何を捨てた訳でもなく
花を厭うよう 人を愛すよう 願ってしまうの

誰も傷つかない 誰も傷つけない
誰も苦しまない方がいい
誰も悲しまない 誰も疑わない
そんな世界 そんな世界を

罪を抱えた手も それを許した今日
すべて無力な白になればいい
ならば昨日を刺す 鋭い刃さえ
私だけに向けばいい

痛いのはもう私だけでいい 答えなど無くていい
罠に掛った非力な野獣
誰もが弱くない 誰もが強くないなら 私に背負わせて
何も怖くない世界がいい
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