宇治川哀歌

遣(や)り水さらさら蛍が飛び交う
闇を走ってあなたに会いに行く
これが最後ですあなたに抱かれたら
何処かへわたしは消えてゆきます

風が冷たくなりました
もうすぐ秋ですね
話しかけてもきっとあなたは
何も変わらない
白い単衣(ひとえ)の帯紐(おびひも)しめて
明朝(あす)はたちます 霧の中

辛いわこの恋ふたりのひとを
愛するなんてわたしには出来ません
心魅かれても辿(たど)れぬ愛(ゆめ)だから
今からわたしはさよならします

恋は宇治川に流されて
もうすぐ冬ですね
水の瀬音に耳を澄ませば
なみだ溢れます
過ぎた想い出捲(めく)り捲って
夢が散ります 隠れ里

恋は宇治川に流されて
もうすぐ冬ですね
空を見上げりゃ雲が乱れて
胸が騒ぎます
あなた恋しいあなた恋しい
つのる心に 雪が舞う
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