レモンの花が咲いていた

君が照れるから つられて恥ずかしくなった
その夏の影のかたちを 忘れたくないと思った

この静かな日の 雲がほどけて
また あたらしい季節は 二人を乗せる
君の髪も 少し伸びたね

昼を過ぎた 坂を上り

君とこの道を歩きながら
少し遠くへ来れたね
どこかの家の庭先、レモンの花が咲いていた

それで 君が笑うから つられて可笑しくなった

窓に跳ねた水が 雲を照らせば
また あたらしい季節は 二人を乗せる
君は少し、太ったかしら

同じ道を 歩きながら

君の手の温もりをこれから
確かに覚えていくよ
大切な言葉を君に うまく伝えられるように

そうやって 君が照れるから つられて恥ずかしくなった
その影のかたちを いつまでも眺めながら
このあたらしい季節に 君は綺麗だと言った
照れたように うつむいた、レモンの花が咲いていた
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