STONE FISH

窓の明りを 盗むまねごと
二人はまるで微笑むように
息をとめて歩いて そっとふり返る
もうすぐ誰かの呼び声で 目醒めるとしても

なだめるような 嘘吹くような 愛の歌を うたいながら

夜更けの風と 屋根灯りの中で
いつまでも笑いつづけているから
覚えてあげて 忘れないであげて
真夜中に 虹のかかる頃も

外はきっと 少し寒くて
二人はまた 眠たそうに
時計を止めて歩いて 溶け出す脚で泳ぐ
銀の魚を追い掛ける、最後の二人

なだめるように、嘘吹くように 手をとりあって 二人きりで

夜更けの風と 屋根灯りの中で
いつまでも笑いつづけているから
憶えてあげて 思い出してあげて
真夜中に沈む、最後の二人

覚えてあげて ただ 許してあげて
屋根の灯りだけを 頼りに歩く
名前をあげる 僕の名前をあげる
真夜中に 虹のかかるように
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