宵の水

水遊び 艶やか とても綺麗な夢の終わりに
新しい言葉で 五月の雨を 告げてまわろう

ひとしずく 連らなる 夜更けの屋根を眺め飽きて
疲れたら ここに来て 同じ夢ばかりを思い出そう

名前まで失くした 二人だけの新しい朝
光の中で 出逢うのに

あふれだす 幸せの
会いたかった、優しかった 記憶に怯えて

畏(こわ)いのは 手のひら それでも 雨を告げてまわろう
ほら ごらん、あたらしい この二人の国に陽が昇る

あふれだす 言葉さえ 失ったままの二人は
ゆっくりと 混ざり合うから

こぼれ落ちる 水の音を
鮮やかに 染めて、広がる 光の中で

水遊びは、艶やか
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