あの夏、僕らは。

あの夏 僕らは、真夜中の神社で耳を澄ましながら、
遠くで鳴り響く雷を見ていた。ただ、ずっと見ていた。

幼き日、手を引かれて歩いた祭り路。
手筒の花火と綿菓子。

僕ら過ごしたあの夏、遠い記憶の彼方今でも。
あの日の面影残したまま、君は大人になってたんだ。
僕を残して…

あの夏 僕らは、夕闇の神社で薄暗くなるまで、
二人で作った秘密基地探した。ただ、ずっと探した。

幼き日、身を潜めて隠れた社の中。
神様蜻蛉が揺れてた。

鳴り止まない蝉時雨、夕立ちの気配がした夏の日。
切り過ぎた前髪を気にして、君はずっと俯いたまま
手を振っていた…

僕ら過ごしたあの夏、遠い記憶の彼方今でも。
あの日の面影残したまま、君は大人になってたんだ。
僕を残して…

夏の終わり告げるように遠い夜空に谺した花火は、
少しの寂しさ残したまま、僕ら大人にしてゆくんだ。
気づかぬうちに…
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