わたしの水夫

水夫がわたしを見た
すこし秘密(ひみつ)を持ってる
お酒が強(つよ)くて、無口な水夫が見た

水夫がわたしは好き
昔、父も水夫だった
お酒が強くて、港の絵を描いていた

男だったなら、このわたしも
海を恋人にしていたはず
果てしないメロディ、それが海
いつまでも、それが恋ね……

水夫がどうでも好き
夕日がしみた背中
白い帆を広げる 腕が光っているよ

水夫が誰より好き
暗い船出の朝
涙をかくして 風に吹かれてゆくよ

海になりたい このわたしも
彼をどこまでも奪う波に
離れずにいつも感じあう
エメラルド、つづく海に……
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