黄昏人

青ざめてゆれる摩天楼(まちあかり)
うそ泣きの涙のしわざで
濡らしたシャツから 覚えた
あなたの香り 思いだした

似合わない声をたてた夜
星のかけらばかりみていた
背中をなぞれば あのとき
みつけたホクロ 場所がわかる

いつも気まぐれなひと
どうせあぶなげな夢
だけど女でいるしかない

燃えて燃え尽きるまで
思いこがれるはてに
誰もみな 黄昏人

やさしい褒(ほ)めことばを抱いて
ひとり寝のからだ あたためた
いけない男が かくした
惚れぐすりなど 捜さないで

いつか枯れる花なら
そしてただ綺麗なら
だから女と言わせたくて

流れ流れるままに
愛をみうしなうまま
傷ついて 黄昏人

ふたりふたりきりでも
ひとりひとりなだけで
誰もみな 黄昏人
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