北半島

北東風まじりに 海鳴りが
時化て海峡 船もない
帰らぬあなたを 岬で待てば
雪がひとひら ほほに舞う
北の半島 冬真近

風にさらされ 灯がゆれる
古い酒場の 波止場道
お銚子二本で すぐ泣く癖は
居ないあなたの せいですか
寒さしのぎの 愛を注ぐ

なまり色した雪雲が
胸の底まで 暗くする
離れて淋しい 夢追うよりも
未練捨てたい この海に
心乱れる 北半島
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