仁吉星

烏泣くなよ 日が暮れる
暮れりゃ仁吉が 弱くなる
好きな女房を 仁義に替えて
意地で三下り 義理で残りの半下り

吉良の港の おぼろ月
嫌な渡世が 目に沁みる
折って捨てたい 一本刀
残る二面を 男うるみが何故切れぬ

三月夫婦(みょうと)の 明け暮れは
思い出すなよ 春の夢
一夜明けたら 荒神山の
空を見てくれ 招く仁吉の朝星を
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