かんかん虫は唄う

青い空から 雲がわく
青い海から 波がふく
空と海との まんまんなかで
ハンマー振り振り オイラは唄う
かんかん虫の命の唄を

白いカモメが 肩に来て
「夢はあるか?」と聞いてゆく
馬鹿にするなよ 子供じゃないよ
霧の降る夜は やさしい夢を
かんかん虫も たまには見るさ

親は無くとも 春は来る
いろは長屋に 花も咲く
泣けば 仲間が笑うじゃないか
出船見送り オイラは唄う
かんかん虫の やさしい唄を
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