望郷おんな花

意地も度胸も 誠がなけりゃ
その場限りの 見栄になる
胸にひとつぶ 観音さまの
お顔りりしい 守り札
こころは錦の 望郷おんな花

浮くも沈むも 浮き世の川に
この身あずけた ながれ舟
掴みそこねた 岸辺の草に
未練みさおの 帯が哭(な)く
なみだはご法度 望郷おんな花

何処(どこ)で生きても 義理人情に
流行り廃(すた)りが あるものか
時代遅れと 云う花は無い
命いちりん この道で
綺麗に咲きます 望郷おんな花
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