回想の詩

飢えている瞳を持つ路地裏の子供達と
陽が翳るまではしゃいだ或る夏の密会
同じ街で育ち駄菓子屋で群れていた遊び仲間達の消息も掴めない
解り合うなんていう夢みたいなふたりには
何時になって成れるのか根のない運次第
死ぬまでいっしょなんだと決めていたよ勝手だけど
何の保証もないくせに無邪気に云う
それも罪
ひといき入れたくていつもの店のドアを押すと
見慣れた顔ぶれに落ち着ける雑音
一人が悪気もなく「シケたツラぁ見せんな」と
ボクはただ苦笑いと無言でしか応えられない
今こそいっしょだったら全てを発揮できた
寂しいってフレイズとは無縁で居られた
毎日まっすぐには歩けなかった後悔
わがままばっかりしては困らせて
キミを泣かせた罪
美しい海に至る風が吹くバイパスを行く
昔取った貝殻を拾い集める旅
「Hey you boy! このボートに乗んな、あの島に渡りたいだろう?」
日焼けした逞しい嘘に吸いついた好奇心
演技することを覚えたら大人になった証拠だととんでもない絵空事
巨大な勘違い
希望もいっしょだったらボクは迷っていないだろう
続ける大切さと難しさを知る
曲がりくねった道の余りの退屈さに
刺激にどっぷり浸りすぎていく
痛い程純粋な若さ
口ずさむ詩はいつもあの頃を彩ったキミの匂いがする
永遠に愛してる
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