月の帯

まるい月さえ 日毎(ひごと)にやせて
いつか淋しや 眉の月
あなたわかって くれますか
抱かれるたびに 逢うたびに
切なく細る かなしく揺れる おんなの胸で
…帯が泣くのです

こがれ待つ夜は 死ぬほど長く
逢えば夜明けが すぐに来る
あなたわかって くれますか
はじらいさえも ぬぎ捨てて
みだれてすがる 命を濡らす おんなの涙
…帯が泣くのです

夢は束の間 さめれば残る
肌になごりの 紅(べに)の月
あなたわかって くれますか
いち度は消した 筈(はず)の火が
別れになれば 未練に負けて おんなを燃やす
…帯が泣くのです
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