せせらぎの宿

別れ急(せ)かして 鳴るベルに
忍び泣きする 始発駅
ここで愚図(ぐず)れば あなたが困る
人目をさけて 見送る私
燃えて悲しい せせらぎの宿

帯をほどいて 抱かれても
朝が別れを つれてくる
わずかひと夜の 私のあなた
心はせめて あずけて欲しい
風が冷たい せせらぎの宿

目と目合わせて 窓越しに
次の逢瀬を またねだる
たとえ一日 伸ばしてみても
どうにもならぬ 運命が辛い
肌が淋しい  せせらぎの宿
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