酒場でひろった子守唄

居酒屋で 冷奴(やっこ)肴に 熱燗飲めば
若者達(わかいやつら)の 笑い声
そこにお前がいるようで
思わず捜す自分を嗤(わら)う
たった一人の倅(せがれ)のくせに
俺より先に逝くなんて
小さな頃の面影が
酒に浮かんで泣いている
大バカヤローの お前にうたう
酒場でひろった子守唄

振りかえりゃ 仕事ばかりの 明け暮れだった
男同士の 酒さえも
恋も世間も語らずに
不器用者の 繰(く)り言ひとつ
こんな親父を許してくれよ
遅れて俺も逝くからと
盃ひとつ横に置き
酒に向かって詫びている
大バカヤローの 男がうたう
酒場でひろった子守唄

たった一人の倅(せがれ)のくせに
俺より先に逝くなんて
小さな頃の面影が
酒に浮かんで泣いている
大バカヤローの お前にうたう
酒場でひろった子守唄

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