母は今でもこころの港

おふくろ一人が 見送(おく)ってくれた
十五の旅立ち 別れの波止場
そっとやさしく 微笑みながら
夕陽に染まった 涙のしずく
今は故郷に 今は故郷に 永眠(ねむ)る母
遠いおもいで… こころの港

ひらがなばかりの おふくろ便り
読むたび身に沁み 瞼を濡らす
無事を祈願(いの)った こんぴら詣(まい)り
ひと文字ふた文字 噛みしめたっけ
瀬戸の海鳴り 瀬戸の海鳴り 母の声
俺を見守る… こころの港

幾つになっても 親子は親子
甘えて育った 末っ子だから
俺も人並み 浮世に揉まれ
がんばりましたと あなたの元へ
花を手向けに 花を手向けに 帰りたい
母は今でも… こころの港
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