車庫の少女

鍵は掛けていないのに開けない扉のなかは
まっくらに霞んでいる瞼の裏のよう

きっときらきらと吸いつくように
結ばれていくんでしょう?
目も開けられないくらい輝いて

星降る夜には、馬車が走って
涼しい夜風が、背中を押すのね
ほんとは淋しいのに、硝子の靴は

ここじゃないどこかに

鍵をかけなかったのはあなた? それともわたし?
まっくらに霞んでいる

「ここじゃないどこかにいくの」

だって、きらきらと吸いつくように
結ばれて愛し合うのよ
愛してくれる人を、愛したいじゃない

なんにも知らないのに、欲しがっているの
無責任にわらう、硝子の靴さえ
なんにも知らないのに、信じていたいのよ
ほんとは見つめている、開かない扉を

きらきらと輝いて….ねぇ、照らして
そっと扉を開いて、瞳を閉じたら
どこかへ、わたしもつれてって
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