僕らの行方

不揃いの影を落としながら
ただただ行く当てのない日々は続いた
青春時代を背にして 旅立つはずの僕らが
そこにとどまった理由は
同じトキの中で 同じ景色の中で
答えみたいな何かが用意されているなど
到底 思えなかったから

いつもこの歩道橋の上に集まって
流れゆく街並を見下ろした
誰も幸せそうな奴なんていやしないと
吐き捨てた言葉を覚えてる

あの頃 描いた夢や未来に
今の僕らはどんな言い訳 探せばいいのだろう

不揃いの影を落としながら
いつしか行く当てのない日々は終わった
世間体とかを背にして 生きてくはずの僕らが
そこに行き着いた理由は
過ぎる時間の中で 過ぎる景色の中で
どんなにあがいてみたって 逆らえないものがあること
気が付き始めたから

灰皿代わりの空き缶を囲み合って
何度も語った 僕らの行方
何一つ確かなものなどないままに
それでもわずかな光求めて…

あれから何か見つけられたかい?
歩道橋から響いた声は 街の中へ消えた

手すりに身を乗り出して
たたずんでいるしぐさが
あまりにも昔と変わらないでいるから
例え疲れた顔でも
少し大人になっても
またここで会えそうな気がするんだ

あの頃 描いた夢や未来に
今の僕らは恥じないように精一杯生きてゆこう

さぁそろそろ僕は行くことにするよ

軽く右手を上げた瞬間 涼しい風が吹いた

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