むらさき小唄

流す涙がお芝居ならば
何の苦労もあるまいに
濡れて燕の泣く声は
あわれ浮名の女形

好いちゃいけない好かれちゃならぬ
仇(あだ)なひとよの浮気舟
乗せて流れて何時までか
しのび逢うのも恋じゃない

嘘か真か偽むらさきか
男心を誰か知る
散るも散らすも人の世の
命さびしや薄ぼたん
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