赤城恋しや

義理と人情を たすきに掛けて
郷里(くに)を追われた 上州鴉(がらす)
風の吹くまま 気の向くままに
行(ゆ)けば舞い散る 枯れ落葉
赤城恋しや 里恋し

右は越後路 左は木曽路
ここはわかれの 追分宿場(しゅくば)
道に咲いてる こぶしの花が
何処か似ている あの女(ひと)に
赤城恋しや 旅の空

縞(しま)の合羽が しぐれに濡れて
峠越えれば 旅籠(はたご)の灯り
根なし明日(あす)なし 行(ゆ)く宛(あて)なしに
帰る故郷は 遠いけど
赤城恋しや 母恋し
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