愛の始発

いつの日か幸福の 鞄(かばん)をさげて
ふるさとへ帰る夢 わたしは見てた
夜の服さえ 着なれて一年
酒場の川を 流れて二年
そして今私は 素顔のきれいな 女になって
あなたと揺られる 愛の始発よ

恋をした傷あとの 一つや二つ
誰にでもあるんだと あなたは言った
いつか暮らしも 荒れてた三年
強がりだけで 生きてた五年
そして今私は すべてを預けて
肩寄せ合って
あなたと揺られる 愛の始発よ

よろこびに泣くために
今日までわたし
ひと粒の涙さえ こぼさなかった
辛い人生 歩いて七年
春 夏 秋の 季節も知らず
そして今私は 鴎がむかえる
海辺の町へ
あなたと揺られる 愛の始発よ
×