ガス燈

銀杏(いちょう)の並木に 傘の花が咲く
それぞれの人生 ちりばめながら
夢の続き捜しても あなたはもういない
幕を降ろして消えてゆく 雨の交差点
ガス燈の灯りが この胸にしみる

別れの主役に させた憎い人
行き先も告げずに 置いてきぼりね
胸に飾る宝石も ほのかな香水も
今はなんにも欲しくない つのる恋心
ガス燈の灯りが おもいでを照らす

ビードロみたいね かりそめの恋は
足音も立てずに 横切るばかり
琥珀色(こはくいろ)の酒に酔い 歌った流行歌(はやりうた)
そんなあなたのあの声が 耳につきささる
ガス燈の灯りが 霧雨に煙る
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