コバルト

日なたで白く 雪が春を告げていた
ゆっくりと世界が動き始めた 回り始めた

雲の切れ間に 真夏の水色の空
季節がめぐっても変わらないもの 壊れないもの

くちびるの端っこでキスをして
揺れる景色を見ている
僕らは蒼い風のようにね 風のようにね

爪先で蹴とばして進むから
世にも美しい場所へ
海さえ越える 鳥のようにね 鳥のようにね

クヌギ林の少年達の夢は果て
陽光がしみこんだシャツをなびかせ 髪をなびかせ

耳たぶをぶつけあって笑ったり
恋の深みを泳ぐよ
いつかは実る花のようにね 花のようにね

くちびるの端っこでキスをして
揺れる景色を見ている
僕らは蒼い風のようにね 風のようにね
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