MOON つき(「組曲ふるいみらい」より)

まちのこは あわれ
つきのほんとうのすがたをしらない
でんこうのらんぼうなひかりのうずに
つきはただ しっしんするばかり

ぎんぷんをあまねくふりまき
ものもこころもくるわせるつきの
まほうをしらぬこは あわれ

いなかのこは あわれ
つきのめぐみにきづかない
つきがひやしたあまいみずによいつつ
にがくよどむ まちのさけをしたう

「ほんとうのつきをぼくは しってる」
まちのくらしに くたびれて
よぞらをあおいだ いなかのこがいった
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