私とジュリエット

どこにいるの どこにいるの 眠るシンデレラ
私に寄り添う彼女の声をかき消してみせて

時計の針は胸を刺しながら回っている
それでもバネを巻くパパとママ達
ねえ痛いんだよ 止めてよって言えばいいの
彼女は「無駄だよ」と耳元で囁いてる

7階から見える灯の先へ
このリードの長さで届くかな

逃げ出そうか ロミオと電車に揺られ
狭い狭いヴェローナの外まで
もう帰れないね なんて他人事みたいに言おう
赤い甘いリンゴを食べながら

さあ動き出した銀河鉄道
闇を駆けてどこまで行けるかな
迷子の「三人」を乗せて

不機嫌そうな顔をしてる彼女と
笑う彼の間で夜は更ける

「引き返そう この先に居場所はない」
悲しそうに彼女は呟いた
分かってよ 私はあなたが憎い
だから違う結末を見せたいね

あの灯さえも過ぎた頃
彼女の小さい声がした
「きっとお別れなんだね」

どこにいくの ここにいてよ 嫌いな私
望んでたんだよ だけど今は「二人」にしないで

12時の鐘が鳴る前に結ばれて
熱の冷めてしまったシンデレラ
眠るように静かに目を閉じてゆく
さよなら 私だけのジュリエット

多分私あなたが好きだった
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