いのちの漁場

潮が吠えれば 舳先もきしむ
凍てつく空には 雪が飛ぶ
親父ゆずりの 大事な船で
ごめが群れ飛ぶ 潮路の果てを
うなる波風 怒涛(どとう)を越える
腕は筋金 いのちの漁場

一に潮見で 仕掛けが二番
三四は無くても 五に度胸
海で稼いだ でっかい土産
陸(おか)で手を振る 女房(あいつ)の顔が
俺の宝さ 生きがいなのさ
今日も大漁の いのちの漁場

骨のずいまで しみじみ沁みた
俺(おい)らの根性 見せてやる
寒さしのぎに 冷酒飲んで
荒れてみやがれ 北海嵐
離すものかよ 命の舵は
海が呼んでる いのちの漁場
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