おゆき

持って生まれた 運命まで
変えることなど 出来ないと
肩に置いた手 ふりきるように
俺の背中に まわって泣いた
あれは おゆきという女

少しおくれて 歩く癖
それを叱って 抱きよせた
つづく坂道 陽の射す場所に
連れて行きたい このままそっと
あれは おゆきという女

湯気に浮かんだ 茶柱で
明日を占う 細い指
どこか不幸が とりつきやすい
そんな気がする ほくろがひとつ
あれは おゆきという女
×