潮騒

小さな頃に教わった未来 波の立たない平和を
規制範囲内 門限が全て 先生はいつも語っていた
潮風が頬を撫でていく

小さな頃に教わった世界 本音はあるようでなくて
傷つけもせずつけられもせず 涙は幻と化して
潮風が心を抜けていく
知れずに時と共に錆びていく

もう一度なんて言ったって
戻すことは出来なくて
あの時はなんて言ったっけ
思い出せないふりした
必死に笑ってみたって
静かな波の音が
心の奥の方で 騒ぎ出す

大人になっても守った社会 みんな同じような顔して
規則範囲内 自由って何? 教わったままの僕で生きてきたのに

潮風が心を抜けてく
本当の笑顔がわからない

もう一度なんて言ったって
戻せるわけなんてなくて
本気で笑って泣いて
そんなことでよかったのに
息もできないままで
静かな波の音が
心の奥の方で
小さな箱の中で 騒ぎ出す
×