秘密木地

いつの日だろうか
植えられた感情
気付いたらここに根を張っていた

幼気な少年少女
笑っていた
それだけで何故だか満たされた気がした

いろんな話を聞かせてくれた
学校のことやきみたちのこと
水をもらっては大きくなる
それだけでぼくはきみたちと違うんだって

だけど幸せなんだ
いつも決まって夕暮れ時
陽が沈むまでここに居てくれるから

さぁ心を閉ざさないで
歌っても良いんだよ
ここはぼくたちの秘密基地だから
音より、光よりも早く揺らめいて
過ぎ去っていく
今日もまたひとりになる

いつの日だろうか
植えられた感情
気付いたらここに根を張っていた
時間を重ねるにつれて
ふたりが来ることも少なくなってきた

だけど幸せなんだ
いつもが不確かであろうとも
来たときは陽が沈んでも
ここに居てくれたから

さぁ心を閉ざさないで
泣いても良いんだよ
ここはぼくたちの秘密基地だから
音より、光よりも早く揺らめいて
過ぎ去っていく
今日もまたひとりになる

時を重ねるたび
いつしかふたりは来なくなった
此処に佇んでいるだけのぼくに
生きている意味はあるのだろうか

心を開いて
泣いてもいいかな
ぼくは平凡な木に過ぎないけれど
寂しいよ苦しいよ
溢れてくる感情はきっと本当だから

さぁ心を閉ざさないで
泣いても良いんだよ
ここは僕たちの秘密基地だから
あの日のきみたちは大人になって
それでも、ぼくのことを忘れてなかった
そうだここはぼくらの秘密基地だから

幼気な少年少女
笑っていた
あの日のきみたちと同じ顔で
ひとりはちょっと寂しいよねって
小さな命を植えてくれた
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