ジギタリス

ツメクサの道 ぬかるみは続く。
空は紅い。風は緩く凪いだ
枯れた紫苑。水分を帯びた入陽。
帰り道は忘れました。

耳鳴りは夏の終わりと一緒に現れてキミを奪ってしまうんだ。
心臓がとても やぶけそうで痛い

手をつないで 水溜まりよけて 遠く、
海か山か空目指した。

なんかとても悪い事してるみたい。
少し興奮して、息が出来なくて、キミを抱きしめた。
消えちゃいたかったんだ。
帰れなくて いい。

夜の闇 キスを隠して欲しい。
こんなにも傍に居るのに怖い。
あまりにも不確かな初恋の脆弱さ。

独りにしないで。
耳鳴りがするの。言葉が出ないの。帰れもしないの。
心臓がとても やぶけそうで痛い。
星空を見ても、二の腕をきつく噛んでも駄目なの
キミが見えないの。心がやぶけそう。気が変になりそう。
涙がこぼれそう。
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